Microsoft Wedge Mobile keyboard U6R-00022
製造元 Microsoft Corp.
諸元
キー配列 84keys/OADG
メカニズム ゴム椀+メンブレン/パンタグラフ(キーピッチ1.7mm)
備考 I/F:Bluetooth 3.0
Junk Point 真ん中では折れません

昨年2016年の12月、筆者はよんどころない事情により、長年慣れ親しんだキーボード一体型ガラケーという古のアーキテクトに、望まぬ形で別れを告げることとなった。

以来、ことあるごとに、カミさんにいわれる。「あー、メール(またはLINE)読んでないのね」

いや、違う。間違ってるぞ、嫁。
今までのレスが早すぎただけだ。

筆者がSH-04A/03Bを使用していた頃は、着信して一読した後、おおむね数十秒以内にresを返していた。そして、カミさんもそれが当たり前と思っていたフシがある。
ハードキーボードがあれば、そのぐらいの時間を以てresを完了することができたので、4時間以上続く全速作業の間であっても、そうした割り込み作業を入れることができたのだ。それが....

装着すべきハードキーボードもないSO-02Jでは、着信内容を読むことはできても、多くのミスタイプ→訂正...を発生させるフリックやソフトキーボードによるres入力作業を割り込ませることは、時間のロスだけでなく作業への集中力を奪うことになってしまう。
結局読むだけ→メールについては読んでいないと判断されてしまう....といった事態を生んでいる。
いくらswiftkeyの入力ミス訂正が空恐ろしいほど高性能であったとしても。

いや、むしろ「推敲」が入り込みにくい「フリック入力+入力訂正機能」のスマホ入力タッグは、入力の簡便に寄与する一方で、今日ネットをにぎわす「失言→炎上→また失言」の地獄車的無限連鎖を助長する主たる要因になっているのではないか。
なんとなれば、こうした新世代のHIDは、いったん「学習した失言」を、半ば入力者の抑制が利いていない状態で文章上に再現してしまうのではないか....と思うからなのだ。あくまで筆者の想像の域を超えないのだが。

高級感漂う裏側
電池BOXの両側にpower/BTbonding

まあ、そうした失言とはほぼ無縁の筆者が一日、いつものごとくハードオフNGHM店をうろついていた。

最近(筆者にとって)決して安くない掘り出し物がちょくちょく出現する(これとか)PC周辺機器コーナーで、またしてもこのMicrosoft wedge mobile keyboardを拾い上げることになる。

発売日は2012年9月、筆者購入が2017年1月。
資料によれば、発売当初の価格が¥7,980。4年半の月日を経て(&ちうこ化で)半額を割り込んできていない。
2017年3月現在、価格.comで検索すると最安値は新品で¥2.98kとなっている。微妙だ、微妙な価格で購入してしまった。
....とはいえ、IYHなく画面で見ていたら、恐らく逝ってなかったであろう。ネタ拾いができただけ、よしとせねば。そう思うことにして持ち帰った次第だ。

さっそく深夜の職場でコソーリ開封してみる。
アルミと思われる筐体自体もかなりしっかりとしている。また、バッテリーボックスを兼ねた足がラバーコートされているので滑りも適度に抑えられ、どっしりと座りのよい感じだ。尤も、それ故にサイズの割には重量感があるのだが。

SO-02Jと
日本語入力システムによっては相性がある?

またしてもチキンなことに、筆者はいまだキートップをはずしていないのだが、おそらくパンタグラフ/メンブレンと思われるメカは、キートップのぐらつきが非常に低く抑えられている。

タッチは今まで使用したどのモバイル機器用キーボードよりもしっとりとしていて、底付き感がないにもかかわらず、絶妙なタクタイルがあって、出来の悪いゴム腕キーボードのようなくぐもった感じとはかなり違う。

Xperia X compact(SO-02J)では、swiftkeyとの組み合わせでは全角←→半角切り替えと、変換候補の選択ができず、ATOKを入れると日本語入力が可能になった(変換/無変換キーは反応しない)。

Androidのファンクションは、まだよくわからない。Alt+Tabも、全アプリをラウンドして切り替えられるわけではなく、過去方向にさかのぼれるだけである(Shift+alt+tabで逆方向に一方通行....も可能だが)。

ASUS MemoPadでも入力は可能だ。だが残念ながら日本語配列にあわせることはやはりできない。こちらはATOKを入れても状況は変わらない。やはりシステム側の対応が必要になるようである。

フタ兼SW兼スタンドの用法はこれでOK?
F7下のpower/BT LED

windows機では、普通のキーボードとして使える。
ただし、ThinkPad compact bluetooth keyboard と同じで、Fnキーはwindows8のチャームキーとして優先動作する。TPkeyboardはファンクション優先に切り替える方法があるが、こちらはその方法が不明である。まあ、筆者はあまりファンクションキーを使用しなくなっているので、大きな問題ではないが。

結論として、文字キーピッチがほぼ等長である(¥キー/BSキーを除く)こと、Enterキーが右端にあることなど、おおむね筆者にとって(そして大多数のブラインドタッチタイピストにとっても)打ちやすいキーボードであると言えよう。スマホと一緒に持ち歩いて使用するにはサイズが問題となるが、tabletを鞄に携行する方などであれば、可搬性も問題ないと思われる(....といっても、Surfaceなどでは専用カバー型キーボードになるだろうけど)。
かかっているコストの分だけ、スペックに現れない点が優れているという、誠にMicrosoftらしい「面白くないけど、とても良い」プロダクツではないか...と感じた一品である。



久々に出会った桃肌塗装
ホコリがくっつきまくり


(2015/02/22記)

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