g910
unitech MS910 Bluetooth wireless barcode scanner
発売元/製造元 Unitech Inc.
諸元
キー配列
メカニズム CCD module/625nm 可視光LED/
対応シンボリックコード:
UPC-A/UPC-E, EAN-8/EAN-13, Industrial 2of 5,
Codabar, Matrix 2 of 5, Code 11, Code93, Code 32,
Code 128, Standard Code 39,Full ASCII Code 39,
Interleaved 2 of 5, ChinaPostal Code, MSI Plessy Code,
UK PlessyCode, EAN/UCC 128, Telepen Code, IATACode,
GS1 Databar
I/F Bluetooth v3.0(HID/SPP)/miniUSB(charge only?)
備考 -
Junk Point マニュアル参照(どこ?)

貴方は、「出荷時設定」ボタンをポチったことがあるだろうか。

「出荷時設定」....それは、PCは自作が当たり前だった筆者の世代の逸般人の方々にとって「なにも使えないが、とりあえず動作確認」か「設定が煮詰まってにっちもさっちもいかなくなったときの非常口」という、あまりポジティブでないイメージのものだろうと思う。
BIOS/UEFIはまずいぢいぢするものだし、プリインストールアプリはいの一番に全削除されるべきものなのだ。

一方で、情報端末のインテグレートが進む今日、買ってきてすぐ使えるデバイスが当たり前になりつつある。

かくいう筆者も、ことスマホやタブレットに関してはほぼデフォで使っているというていたらくなのだ。そもそも作業環境の最適化などという道楽に割く時間がないんだよっ、事件は現場で起こってるんだ。

そんなこんなで、いろいろいぢる事を悦楽としていた筆者も、だんだんせっかちかつ長短時間型ガヂェッツエピキュリアンとなりつつあるという由々しき事態の今日この頃である。

ちっこいハコに入ってるのはこんだけ
シャチハタぐらいの本体

さて、趣味の世界はともかくとして、お仕事用の機械は、納入された時点で作業が開始できる....というのが大前提のはずだ。

先日筆者は、長年の懸案だった、仕事で使える「ワイヤレスのバーコ−ドリーダ」を、尼であっさりポチった(出撃の言い訳。..いや、目的として利用していた側面は必ずしも否定できるわけではないが)。

選定が難航したのは、筆者の所属する業界で標準化されつつある「GS1-databar」をデコードできる「安価」な「Bluetooth」リーダをなかなか見つけられなかったことにもある。

そんな中、先週ようやくwebで検索した筆者は、いかにもせどりすとが愛用しそうな、超小型の本機を見いだすことになる。価格もお手頃(....といっても1諭吉以上だが、他のは5諭吉なんて代物もあるぐらい)だし、迷う理由はなにもなかった。

到着....を、スマホで知った。いや、今いる職場に届いたんですけど。どこだ?
書類の下敷きになった尼の箱。その中にちょこんとパッケージが「ちっちゃッ」

本体はシヤチハタぐらい。スイッチ、コネクタとも1つだけだった。すべての設定はマニュアルに印刷された設定用コードを読み込ませて行う。電源offすらそうだ。

コード読ませて設定
....だが隠し設定満載

とりあえず、win7のいつもの発注用PCとボンディングを....何度やってもつながらない。
ボンディング自体は成功したというメッセージが出るのだが、デバイスとして認識してくれない。

気を取り直して、win10proのタブレットとボンディングしてみる。こちらはちょっと時間がかかったが、一発でつながった。

で、問題はここからである。

まず、早速GS1-RSSコードを読み込んでみる....が、反応がない。
簡易すぎるマニュアルをみてみるが....どこにも「こうしてください」という回答がない。載っているのはボンディングまでのやり方と、設定バーコードだけだ。

これはもしかして....いつもどおりの悲観(もしくは、ネタイベント発生に沸き立つ心)に傾く筆者の推測を押さえつつ、コードをみる。....いや、これもしかしてGS1読み込みがデフォでは無効なんじゃね?

「enable all code」を読み込んで、GS1をスキャンした。....あっさり読めた。
なんだよーびっくりさせるなよー。にしてもデフォで全コード読めないなんて、何か間違ってるぞ。
....などと余裕の表情でニヤツきながら、いつもの発注画面でテストを行う。「該当する商品がありませんでした」。..おい。

レーザーよりも少しボケた光源
GS1-Expandedはコード上端から読ませるのがコツらしい

どこが間違っているのか。
今度も(無駄と知りつつ)簡易マニュアルをひっくり返して、今度は目を皿のようにして熟読してみるが、やはりどこにも対策らしき記述もコードも載っていない。

仕方なく、試しにどうエラーがでているのか、notepadにコードを読んでみた。
すると。...14桁であるはずのGS1-Limitedデータバーが、13桁で表示されている。下1桁のチェックデジットが無視されているのだ。

コード自体は読めて(デコードされて)いるのに、結果が間違って表示されている。
ちうか...一瞬その3文字が頭を横切った。
が、ここで諦めるのももったいない。

メーカーに問い合わせてみた。すぐに返信が来た。
「マニュアルを同送しますので、それを参照してチェックデジットを残す設定を『有効』にしてください(出荷時設定では『無効』になっています)」というメッセージに、94ページにも及ぶPDFマニュアルを添えて。
つまり平たく言うと「初期設定では、14桁の数字を(間違って?)13桁で表示します」ということだ。

出荷時設定.....(火暴)

いやそれ以前に、そもそも出荷時設定の変更について、「その方法が存在すること」すら同梱物に何ら記載がないのは、商品としてどうかと思うよ、ホント。

とにかく、対応するシンボリックコードが非常に多種で、スペック的には間違いなく「使える」リーダだと思う。

一方で、初期設定がヒドすぎる事、そしてその対策方法を知ることができる人が限られ(実際筆者も、業務上GS1が14桁だと知っていたから対策を調べることになったのであって、そうでなければ正直お手上げだった)、しかもマニュアルの存在すら記述されていない事を考えると、用途によっては、非常に使い手を選ぶデバイスになってしまう可能性がある。

とにかく、筆者はそんなこんなで使えるデバイスに(つまりスペック通りに動くように)するために、ほぼ丸一日を、同僚の作業者に本職を任せっきりのうちにつぶしてしまった。
ホントすんません>同僚




(2017/03/08記)

 

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