DRAGON QUEST Metalslime keyboard
発売元/製造元 ホリ株式会社
諸元
キー配列 109key/JIS-OADG
メカニズム ゴム椀/menbrane
備考 I/F:USB
Junk Point タワーに出来るらしい

筆者は、PCゲーム、特にオンラインRPGの世界に足を踏み入れたことがない。

"Second Life"をそう呼ぶのであれば、「全く参加したことがないわけではない」ことになるが、そもそも筆者は「複雑な世界設定やアイテムなどといったものを理解しつつ、一朝事あらばもてる反射神経の全てを動員して超高速でオペレートする」という緩急同時進行が全く苦手なので、このジャンルには食指を動かされることがなく、従ってとんと疎いのである。

一方で、keyboard Junkyなどとご大層な看板を掲げていると、否応無くあちらの世界との接点が発生する。
PCショップでみかける、「ゲーミングキーボード」という製品群だ。

オンラインゲームの一般的な操作体系を殆ど知らないので、どのようなキーボードがゲームに向いているのかは、筆者は想像するしかない。「高耐久性・Nキーロールオーバー・プログラマブルなカスタムキー」...てなところだろうか。

もっとも筆者のように「文章をいかに高速に、かつ快適に入力できるか」という視点からキーボードを評価している(かなり例外アリだが)人間からすると、「高級ゲーミングキーボード」として販売されている製品の一部には、その価格設定がイマイチ理解できないものが存在するのである。

たとえばスイッチの耐久性に関しては、メンブレン+ゴム椀という製品もちらほら見かけることから、あまり重視されていないかもしれない。
これは「怒りに任せて鍵盤を叩き付ける超高速で力任せにキーを連打するような状況が続けば、電気接点以前に本体が痛恨の一撃を喰らってしまうキーの動作機構がネを上げてしまうから、スイッチの耐久性はあまり重視されない」....ということなのだろうか。どのような世界でもそうなのだが、スポーツゲーミング競技というシビアな世界では、一般人の想像がまったく届かないことが常識とされることがあるものだろう。

当然のことながらDQづくし
前のユーザー(?)はコード欲しさの購入かも知れず

ひるがえって、この「ゲームをネタにした」キーボードでる。

一応オンラインRPGのノベルティである。そしてパッケージにも「オンラインゲームをより快適にプレイ」と書いてある。あるのだが....なんだろうこの「ほのぼの感」というか「マターリとした雰囲気」というか、つまりは「ゲーム向け」らしからぬ空気は。

まぁもちろん、元ゲームがキーボード必須ではないので、これがなくてもプレイそのものには影響しないわけだし、おそらくこのようなモノを欲しがるのは高速タイプを必要とするユーザーではないと思われるので問題はないのだろう。

....が、筆者などの目から見ると、あまりに土台となるキーボードの安っぽさが目について、コレクターズアイテムとしても若干首をかしげたくなるクオリティなのである。


多分ファミコン時代をイメージしたロゴか
筆者には意味不明の記号(キャラ)も

レイアウトはきわめてオーソドックスな109JIS配列だ。
一部キートップ印字に(筆者の感覚からすれば)妙ちきりんな文字やキャラが使われているが、それでも例の痛キーボードのように読めないなどということはないので、その点は問題ない。

筆者が気になる点としては、まずキートップがほぼ正方形で、縦方向が通常のキーボードと比べると若干寸詰まりな感じがする分、Enterキーを始めとする右端キーがやや遠く感じられることだ。

本体はシルバー塗装だがオールプラスチックと思われるのでかなり軽い。だが脚はゴム製のが4隅にあるため、軽い割りには安定している。
チルト機構はついていないので、傾きの少ないセッティングはやや好みが分かれるのではなかろうか。

キー構造は極めて安普請
RealForceから交換すると、そのタッチの差に愕然とする(^^;

タイプの感触はゴム椀そのものだが、滑りがやや渋くてカサカサした感触だ。
先日購入した「Wireless keyboard for Nexus7」と比較すると、この手の浅いストロークのキーボードには、やはりパンタグラフ機構の方が安定したなめらかな動作の面から向いているのではないかと思われる。
この渋めのストロークと、前出の距離的違和感の為に特に外側の指を中心に妙な力が入って疲れる。

で、問題の「13体の突起物」だが.....筆者はFnキーの頻度が低い(ショートカットで代用)ので、Fnキーにヘンナモノが乗っかっていても余り気にならない。
発売元もそれを想定してデザインしたのか(見方が穿っている?)
ESCキーのはぐれメタルはありがたい。キートップを大型化しているようなものなのでかえって打ちやすいかも。

想像の域を出ないのだが、FFXのメッセージ機能はFnキーを使用しない設定になっているのだろうか(ホリのWebサイトではF4が「日本語←→英数」切り替えとなっている)。だとすれば「使わないキーはお飾りに」という発想もアリなのだろう。

Fn上に居並ぶ障害物軟性金属体生物
こいつらの叩き心地は意外と悪くない(火暴)

これは「スライムキーボード」の2代目にあたる。初代はあの「青」を基調としたデザインだ。ていうか、単に色違いバージョンなのである。モンスターの見分けがつかない筆者にはその価値の違いが今一ピンとこない。

発売は2013年3月30日、当初発売価格は初代と同じ4,980円である。
.....が、筆者がコレをハードオフで「新品同様」として入手したのは4月上旬の日曜日、お値段は半額以下の1,980円だった。
ひどい値崩れのように思えるが、ライセンス料を考慮に入れなければ、筆者の購入価格の方が妥当に思える。つか、それでもまだ高い気がする。一般人としては。

今のところWii/WiiUともBluetoothキーボードは未対応なので難しいとは思うが、Bluetoothキーボードが普及して値段も下がってきた昨今、いくらキャラモノとはいえこの値段を払うのであれば、キーボードとしての基本性能ももう少し追求した製品にしてほしかった....というのが正直なところだ。



(2013/05/25記)

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