BAffalo BSKBB12(for iPhone4S)
製造元 バファローコクヨサプライ
諸元
キー配列 微妙JIS/50keys
メカニズム ゴム+メンブレン?
備考 I/F:Bluetooth2.1
Junk Point 重い・硬い・角いの三拍子♪
ジェンダーロールを植えつけられ始める年頃のチビ♂や、その時期を遥かに過ぎてもなお、内的神話形成に伴う恍惚に耽溺するヒーローヲタに永らく人気を博し続ける「仮面ライダー」シリーズ。

そのストーリーに深みを加えているのは、人間と「人の形をした異形の者たち」との生き残りをかけた戦いという、勧善懲悪から一歩踏みだしたテーマだと筆者は考えるのだが、それらの作品の中で異彩を放っているのが「響鬼」ではないだろうか。

オーバーテクノロジーによって生み出されたり、あるいは地球外から来訪したりという科学的敵対キャラ設定の多い中で、「響鬼」の世界では自然の中に、あるいは人の心に棲む魔が実体化した「魔化魍」が人間と対峙する存在である。

つまり、科学的にエンハンスされるのではない、日常にだれの周囲にも、あるいは内面にも存在するであろう禍々しきモノを描いた点が、筆者に他のシリーズよりも更なる恐怖とカタルシスを呼ぶのである。

キー配列
裏面
レンズ窓は普通の穴

そうした「日常に潜む異形」 は、PCの世界にも存在する。

そもそも一企業のブランド名であったPCが、その普及によって一般名詞化する中で、本来全く異なる存在である「それ」も、いつしかPCという狭小なカテゴライズをかいくぐり、人々の心を蚕食し始めた。

「それ」 はスマートなインターフェイスと、クローズドだが創造性と人の直感にダイレクトに応答する操作性とを以って人の心を蠱惑し、気がつけばそうした人々の頭部に小さな葉と枝が生え、自らが魅入られた「それ」の素晴らしさを周囲に吹聴して回る伝道者と成してしまうのであった。

その「PCならざるPCのような存在」に魂を乗っ取られた人々を、人々は恐れを込めてこう呼ぶ。

マカー魍」と。

デザイン的に一体感はあるが
装着すると凄くグラマラス

...ところで、筆者が林檎電話を購入してから1ヶ月が過ぎた。

今のところ筆者の頭部は以前と変わらぬ、前頭部の「失われ行く草原」が頭頂部の「幻の大陸」へと連なる地形のままであり、林檎の苗木如きは一本たりとも萌芽していない。

しかしながら(不本意の極みではあるが)林檎製品への筆者の評価はいや増すばかりだ。

一緒に購入した上司が、どうにもならない禿電の弱さにネをあげている一方で、電話としての機能を全く考慮していない筆者にとっては格好のお仕事ツール+玩具となっている。

それにしても、新しいガジェッツやおぢゃんくに見境なく手を出す割に、筆者には妙に保守的なところがあるのもまた事実である。
iOSのフリック入力にどうもなじめず、わざわざこのようなスライドキーボードを、それも林檎電話の 到着前に買ってしまうのも、そうしたやりな性質の所作といえるだろう。
4段キーで数字はFn同時押し
タッチはかなり固い...つか固すぎる

筆者が購入した2012年初頭時点で、林檎電話は単一ブランドとしては 「世界で最も売れている携帯電話」になっている。
そこからすると、従来の携帯電話や、他のスマートフォンからの乗り換えも多く存在すると思われ、必然的にハードウェアキーボードの需要もそれなりにあるはずだ。

にもかかわらず、筆者が確認した限りでは、このようなスライドキーボードはバッファローコクヨサプライの本製品と、先行して発売された「謎ブランド」品の2種類しか存在しない(この言迷社製品は最近バックライト付になった。あと、縦型が1種類存在するようだ)。

そんな訳で筆者は、最狭の選択範囲の中から、安心保証付きの国内ブランドをチョイスした....わけではない。
筆者の行動限界である大須界隈では、これ以外に売ってなかったのだ。

Web通販には先述のキーボードが販売されているところがいくつかあった。しかしことごとく売り切れていた。
三月兎ならいけたかもしれないのだが、久々に脳内が祭り状態だった筆者は現物を可及的速やかに 入手せねば....との強迫観念にかられていたのかもしれない。うん、そういうことにしておこう。

SH-04Aと並べてみる
仕方ないとは言え重量バランスは比較にならないほど巨乳...いや頭デッカチ?
さてその使い勝手である。
筆者としてはどうしてもSH-04Aと比較してしまう。が、同等の操作性やバランスを期待するのはどだい無理な話なのだ。

不本意ながら(←諄いぞ)極めて洗練されたデザインの林檎電話にこれを装着すると、見た目は統一性のあるデザインではあるが、何か全く別のモノになってしまったような感じを受ける。

式波アスカしゃんが、エメラルダ・サンボーン姫に変身したような....といえばお分かりいただけるだろうか(をぃ)。スリムな林檎電話が、直線的なエッヂを持つこのキーボードを装着すると、ものすごく肉感的な、あるいはマッチョな感触になってしまうのだ。しかも上半身が「ダダーン」(←死語)な。

操作性も印象に違わずハードボイルド(?)だ。

とにかくキーが固い。アイソレーションタイプで、ゴムのキートップは感触がハッキリとわかるのでミスタイプは起こりにくいのだが、押下げ圧がかなり大きいのだ。
SH-04Aの「プチプチ」というタッチとは全然違う、「ぐにっ」という、押下げる量に比例して圧がリニアに上がっていく感じだ。

とはいえタイピングが長時間に及ばない限りは、悪くないタッチなのだが....僅かに残念で、かつ筆者にとって致命的な部分がある。
それは「バックライトがない」ことである。

一日中持ち歩いていると、暗い場所で操作することが意外に多いことに気付く。そんなときにバックライトがないと、文字通り「ブラインドタッチ」になってしまうのだ。

そんなわけで、結局筆者は件のバックライト付先行品を買い直してしまった。

だが、こちらはホワイトがないので、筆者の白モデルとは微妙にデザイン的に合わない。
そんなわけで、時々取っ替えて使っている今日この頃である。



こういう使い方も一応可能
(意味ないけど)



(2012/02/22記)

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