DELL AT101 25109
DELL AT101 25109
製造元 DELL inc.
諸元
キー配列 AT101keys
メカニズム ALPS黒軸
I/F PS/2
備考
Junk Point 小物置き付き

以前からここに書いているように、筆者が最初に入手したAT互換機は大同電気OEMのi486DX2-66MHz機だった。
F1マシンがコスワースDFV一色だった1970年代と同じように、i486DX2-66MHzが市場を席巻していたそのころ、BTOの雄であったGATEWAY2000およびDELLも、日本では直販をおこなっていなかった。

当時非BTO系メーカー(IBMなど)が主価格帯のPCにi486SX-25〜33MHzあたりを採用していたのに対し、DELLやGATEWAYは最高峰のDX2-66MHzをメイン機に使用していた。
直販を行っている米国本国では十分お買い得感があったと思われるが、日本でDELLが直販を開始したのは1993年からであり、それまでは代理店が販売を行っていたこともあり、こうしたBTO機を購入できるのはお金持ちであるという印象を筆者は持っていた。筆者がOEMのショップブランドに走ったのも、そこら辺が影響していたと思われる。「拡張性という幻想を追いかけた」という側面支援もあるが。

背面
ティルトスタンドが"Bigfoot"なのか

こちらの資料を見ると、DELLの分厚いデスクトップ機に、日本において"Bigfoot"と呼ばれるALPS軸採用のキーボードが添付されているのがなんとか見て取れる(このカタログモデルの場合は日本語AT101Wのようだが)。

筆者が先日譲り受けた「25109」は、DELLのロゴが旧タイプになっている。変更の理由は筆者にはわからないのだが、上品な細字の旧ロゴは、メリケン的には貧相に写るのかもしれない。

(上)FCC対策アルミ箔
(下)鉄板はこの時期のモノとしては標準的か

タイプフィールは同じ黒軸のAT101Wと似ている。個体としてはかなり使い込まれているために、カーソルキーのスイッチが若干接触不良になっているのと、さすがに潤滑剤が弱ってきたのか、使いはじめはややストロークが渋い感じだった。だがしばらくタイプしている間に、スムーズになってきた。

レイアウトは実にシンプルな101キーで、altやctrlの位置も筆者の感覚にフィットしている。
筆者宅に届いた際、ブラウジングのショートカットに微妙な違和感を覚えてふと見ると、「D」と「F」、「J」と「K」が入れ替わっていた。前ユーザーはひょっとしてMacユーザーだったのだろうか。

名付けられたとおりの大きな筐体を開けると(裏面のねじを数個外せば可能)、中にはマットな表面の鉄板が入っている。
このころのキーボード内部構造として、よく見るような気がするモノだ。

スイッチはalps黒軸で、以前に仕入れたAT101Wとほぼ同じ感触になる。資料によると、内部に塗布された乾性グリスは十数年も経つと性能を発揮できなくなり、渋くなってしまうとのことだった。
本機は上下カーソルキーの接触が今ひとつのようで、押し続けた際のカーソルの動きが意図通りでないカクカクした物になってしまう不具合が有る。

コレを元通りにするには、一度分解して掃除し、以前に仕入れたRo-156を塗布すれば良い....とのことである。
以前に簡易Alps黒軸を破壊した筆者としては....躊躇われるところで有る。
まあいいか、全然動かなくなったらまた考えるとしよう(←ちぇきん)。

(上)黒軸は筆者的には好きな感触
(下)大型キーにはスタビ有り(固定用樹脂をなくさないよう)

背面のラベルを見ると「DC5V/275mA」の表記がある。電力的に使用可能かどうかわからなかったが、例の如くBT2USBに接続してAndroid機のBluetoothキーボードとして使用できている。
発売された当時、四半世紀の後にこのような使われ方をされるとは、開発者は想像もしなかったのではないだろうか。

筆者はこの機器構成を名古屋系喫茶店に持ち込み、げしるつもりだった。
だが....以前1389702を持ち込んだ際のことをふと思い出した。

特に周囲から苦情は出なかったのだが(元々店内がやかましいから)、タブレットを操作する方が次第に目に付くようになっている今日、そうした方々のお隣で賑やかな鳴り物を叩いている....というのは、なんとなく雰囲気から浮いているような気がしたのだ。いや、そうしたことを余り気にしなかった筆者ではあるが。

そんなこんなで、本レビューのコア部分は、自宅のコタU改に搭乗しながら叩いている。
周囲の家族の耳と目に配慮しながら。(←『何やってるの?』と覗かれないように...ちう意味も含めて)

モバイルキーボードとしての用途は全く考慮されていない(当たり前)わけなのだが、このような使い方であれば筆者にとってもなかなかに良い感触を持つUS配列キーボードだ。MemoPadMF572CLは未だにJP配列をサポートしてくれないのだが、それがこういう機会をもたらしているとも言えよう。いいんだか悪いんだか。




例の如くBT2USBで青歯鍵盤化
モバイルバッテリーで電力的には問題なさそう


(2015/12/12記)

 

Keyboard Junkyリストへもどる

Junk Junky