Justy JKB-109 109Keyboard

製造元 言迷(販売元:Justy)
諸元
キー配列 日本語/109key
メカニズム メンブレン/ゴム椀
備考 PS/2
Junk Point
義父にPCを頼まれた筆者は、パーツ求めて秋葉をさまよっていた。それまでPCを触ったこともない人間にいきなり自作機というのもどうかという気がするが、酒の席で「今(97年頃)なら6万円も出せば『とりあえず使える(動く)PC』が出来ますよ」なんて言ってしまった手前、あとには引けない。
なんとか一通りそろえた中にあったのが、このキーボードである。クリック感がなく、ヤクルトの瓶のような手触りのヘンなキーボードだった。
結局その自作機は、さしたるトラブルもなく、またさしたるお仕事をすることもなく、致命傷を受けて筆者宅に里帰りすることになる。こんなことになるなら、あの時見たマシンを\70,000で買っておけばと思うことしきりではあった。


(2008/12/06追記)

・・・・上記のような過去のインプレッションを眺めながら改めてこのキーボードを叩いている。

追記するにあたり、このデバイス関連の情報を検索してみると、メンブレンスイッチ+コイルスプリング構成だったJustyブランド前シリーズ「JKB-106S」の評判が高く、後継機種JKB-109Sは「間違えて買ってはいけない」とまで評される不評機、言うなれば「5576-A01の後継機種B01」みたいな扱いを受けているようだ。
筆者は所有こそしていないがJKB-106Sには見覚えがあるので、多分アキバ辺りで実際に触れたことはあるはずである。定かな記憶はないが、そんなに違っていたのだろうか。それにこの109と前出の109Sは、出自のメーカーも違うかも知れないという可能性がある。

「スコスコ」という打鍵音は今聞いてもやはり「ヤクルト瓶底」なのだが、ということは、「クリック感がない」というのは誤っている...ということなのだ。ここ数日の自宅主力鍵盤である「Majestouch FKB108MC/NB(MX青軸)」の打鍵感をさらに軽くしたような感じであろうか。
底突きの当たりが強すぎる感じがするので、ゴム椀式とはいえ意外にやかましいし、押し込む感じにタイピングする人にとっては疲れやすいのではないかと思えるが、筆者のように叩く感じのタイピングの人には、思ったよりもリズムを作りやすい感触である。

横から見ると僅かながらシリンドリカル・スカルプチャを採用しているのがわかる。ただ、IBM5576シリーズやRealForceなどと比較するとカーブがフラットだ。なので下段のキーもどちらかというと「引っかける」よりは忠実に叩く感触になる。

筆者のスタンダードであるOADG106-A01配列と比較すると、CtrlとAltキーのサイズをそのままに、「無変換」と「カタカナ/ひらがな」キーを通常の文字キーサイズに縮小して、そこにゐぃんキーx2とコンテクストメニューキーを割り込ませ109キーとしている。
これは筆者としては好感の持てる(109としては...だが)配列だ。
筆者の記憶でもカタカナ/ひらがなを使用したのは何かの表紙に「全角英数」入力になってしまった時だけだ。実際のタイプ中に使うケースはほとんどなかったのである。
欲を言えば、現在の職場の入力環境では「無変換」キーで「かな←→カナ」を制御しているので、このキーは大きくても....という感じなのだが、最近はCtrl+Iでひらがなをカタカナに変換するクセがついてきたので、この機能も不要になりつつある。
少なくともMajestouch日本語シリーズのように、スペースバーがやたら長くてCtrlが文字キーサイズというのよりは、確実に扱いやすい。

上部やや左より、ケーブルが直に生えている当たりに妙なスリットが空いている。「AP←→XT」と刻印があるのだが、特にスイッチがある訳でもなく、中の基板に実装されているコンデンサや抵抗が垣間見えるだけである。PC/XT用に切り換えるような機種と金型が共通だったのだろうか。

総じて、クリックと底突き感のあるキーボードを好む筆者にとっては、以前に感じていたよりはかなり使いやすいという印象のキーボードだ。
一部のキートップフォントが妙なのはまあしょうがないとして、軽量でチャチな筐体の割には(といっても最近のDellのOEM元であるSiltek社製よりはよっぽどしっかりしている)チルトを立てても軋むこともなくしっかりと押圧を受け止めている感じがある。

何をトチ狂ったのか、所有機の筐体にはコテを擦り付けたような熱溶解の後がいくつもついている。発売当初2,980円だったようで、当時としては爆安品だっただけに、扱いがぞんざいになっていたのかも知れない。勿体ないと言えば勿体ないことである。
 

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