GNNetCom GN-6210
製造元 GNNetCom(today's Jabra)
諸元 BlueTooth1.2/Class2 wireless headset for business phone & mobile phone
HSP/HFP/Headset+Base unit
Junk Point ガリガリ君
備考 筆者の今の仕事場は可動スペースが1畳半ほどの巣窟である。

元々倉庫になる予定だった所を、状況の変化で急遽使用する事になったため、人間が常時活動する場所としてのアメニティはあまり考慮されていない。空調はあるが、窓はないし、複数の作業機械と什器を詰め込んだために、人間2人がすれ違う事が事実上不可能な鰻の寝床状態と化している。

筆者はここで朝の8時から夜の9時までほとんど1日全てを過ごす。職場の他の場所に行くのは1日数度、在庫を倉庫に取りに行きがてらトイレに行くぐらいである。
この密閉空間で、担当一人の職場でモノを相手にするのが専らなので、業務中に話す事もほとんどない。

したがって通勤の2分間を除いて、太陽を丸1日見ないことも珍しくない。筆者が暮らす街は四季の自然の移ろいが美しい田舎町なのだが、来客者や同僚が「今日は冷えるなぁ」とか「そろそろ紅葉が見事になってきたぞ」と言っているのを聞いても「はぁ、そうなんですか」としか反応しようがないのである。

もっともそれを逆手にとって複数の自腹PCを持ち込み、ダンボールや折りコンで勝手に棚を増設して要塞化(私室化?)しているのだから、文句をいう筋合いはまったくない(・・・というか、結構気に入ってたりするんです)。

そんな手を伸ばせば部屋全体に届くような筆者の職場環境(以前に住んでいた都内のアパート並みだ)だが、仕事中の移動距離と速度は半端ではない。
全体で700近いアイテムを、収納スペースを含めても3坪ほどのこの部屋で管理・使用している。

ピーク時には3〜4スレッドを1人で並列処理するし、作業中は床面上の反復横跳びに加えて、天井付近の収納からアイテムを取り出すために上下方向の跳躍も頻発する。その作業ぶりは周囲の人々に恐怖感を与えるほどだ。

そんな状況下、筆者はなにやらブツブツと本人にも不明瞭な独り言をつぶやきながら日々の業務に勤しんでいるのだ。なんか最近同僚の足が筆者のセクションから遠のいているようなのだが気のせいだろうか。

話は大きく変るが、こうした職場には、通常のビジネスホンがあまりそぐわない。
作業の手を止めずに締切時刻がある取引先への発注、DB端末を操作しながらの問い合わせ対応など、有線のハンドセットでは面倒な状況が多い。

筆者は当初そうした状況を上司に説明して、施設内で使用するPHSを支給してもらった。

片手作業になるのは致し方の無いところだが、場所を移動しながら内線/外線電話をかけられるのはそこそこ便利に感じていたある日の会議の席で
「もこっちさん、今日からそのピッチは○○さんが使う事になったから」
「え”?」

”聞いてないよ・・・・”と辺りを見回すと....筆者以外の全員がうなずいていた。
確かにそちらの方が緊急性と重要性が高く、移動端末が必須のセクションであるのは確かだったのでそれは納得だった。
筆者が愕然としたのは、当の本人だけ知らなかったということだったのだ。筆者の対人スキルというか、コミュニケーション能力の無さは、いつもながら酷いの一言に尽きる。

それはともかく、その場の激情に任せて筆者が取った行動は....「ぽちっとな@女尊」だった。

筆者は当初「この手のヘッドセットは、当然デバイス側でオンフック制御もできるんだろうな、でもどういう仕組みになっているんだろうな」などとバクゼンと考えていた。
数日後アマゾンから32,000円の自腹を叩いたこのヘッドセットが届いてみると.....当初想定していたのと若干違っていた。

まず、オンフックやビジネスホンの外線発信などはヘッドセット側でコントロールできない。
いや、実はリモートで受話器を取る事は可能だ。但しそれは、ベースユニットに接続して、ヘッドセットのボタンを操作すると物理的に受話器を持ち上げるという力技なオプションデバイスによってだ。しかも結構高い。
それに内線/外線切り替えはできないから、かかってきた外線電話に、ハンドセットを取るだけでダイレクトに出る事ができない筆者の持ち場の電話では、あまり役にたたない。

もう一つは、音質の悪さだ。
HFPで通信していると思われるので、そんなに期待はしていなかったのだが、それにしても「ガリガリ」というノイズが酷く、マイクが拾った音のエコーノイズも結構入る。
確か「BlueTooth Class2強度で通信可能距離は見通し10m」とのことだったが、「それはちょっと言い過ぎでは?」と思える程度、感覚的には5〜6mほど離れるとノイズが酷くなる(ただし場所によってかなり違い、10m以上離れていても会話可能な場所もあった)という感じだった。

だが.....「まぁこんなもんかな、外国製だし(Jabraが業界トップということは知っていたが、それはまあ置いといて、である)」と妙なナショナリズム的納得というか諦念を抱いたまま、とりあえず使用し続けた。

確かにヘッドセットに慣れてしまうと、受話器を持って通話するのがとてつもなく不便なものに感じられてしまう。
「もこっちさん、それ補聴器ですね。耳悪かったんですか?」と同僚や来客者が尋ねるような妙なフォルムも、じつは耳にとてもフィットするデザインで、装着しているのを忘れてしまうほどだ。
そうして多少の不都合を保証期間内に修理してもらう踏ん切りが付かないまま、2年が過ぎていった。

毎日のように使用→充電→使用を繰り返し、流石に内蔵リチウムポリマー電池がヘタってきた。電池交換を依頼しようとメーカーのWebサイトを訪れた筆者が目にしたのは....「交換不可」の4文字だった。

さて、困った。

新品の単体ヘッドセットを購入しようにも、とうの昔に生産が終了している。ヘッドセット+ベースユニットの流通在庫や、あるいは到達距離70mの新型に手を出すという手もあるが、価格はやはり3万円台。これ以上仕事にPC以外自腹を切りたくない。

というわけで、筆者が目をつけたのが同社製(GNNetComはJabraの前身)の『ぱっと見が同じ』である"Jabra BT250"だった。
これならやふおくで100円スタートの新品がいくつか出ている。後継機種のBT250vやBT500もあるが、こちらは数も少なく、なによりバイブレーション機能の追加などがあって互換性に不安が残る。勿論BT250だって何の保証もないのだが。

念のためJabraに問い合わせをしてみたが、2週間経った今日に至るもまだ返事が返ってきていない。....で、いつもの筆者のパターンである「まいっか。ぽち」

やってきたBT250。GN6210のクイックスタートマニュアルには、ベースユニットとのペアリング方法が載っていなかったが、ネット上のマニュアル集積サイトに落ちていたGN-6210の取説PDF通りにペアリング操作をして....若干挙動が怪しいところもあったが、無事動作した。

で、筆者は思った....「何だこの静けさは」

GN-6210付属のヘッドセットから溢れていたノイズなど、皆無なのである。いや、無線LANの干渉と思われるクリック音はほんの少しあるが、それ以外はホントに無音で、エコーノイズも全く無い。

いままでのつぼ経験から十分に予想されたことではあったが、どうやら初期不良品だったらしい。

しかしベースユニット以外についている充電器が共通なので、この「ガリガリ君」も継続して使用する事にした。
BlueToothデバイスなのでPCと接続しても使えるのだが、とりあえずBT-N20X持ってるし、BT対応の携帯も持ってないし、なによりリンク状態で2時間ほどしか電池が持たないので、モバイル用途には使えないのだ。
...って新品のBT250が丸1日電池がもつというのに、いつ使うんだろう?
(Edited in 2008/11/18)

(2009/09/15編集) ....使う日がやってきたorz
後輩のBT250のほうが、先にお亡くなりになりました。(-人-)

本日その後継機BT250vが到着したのだが、早速充電をとクレドールにセットして....電源入らんやん。
ふとACアダプタを見ると、GN6210はDC7V、対するBT250vは5.2V...これはやってもたか?

とりあえず交換待ちの間、老兵の復活です。電池が待ち受けで2時間ほどしかもたないけど。

Junk Junkyリストへもどる