南西航空のうちわ
製造元 南西航空(現JTA)
諸元 うちわ
Junk Point をい
備考 どこぞのまちかど写真でも触れたとおり、この夏(2007年)に筆者はカミサンと八重山諸島の旅をしてきた。
といっても2泊3日の強行日程だったのだが、筆者にとっても15年ぶり、そしてカミサンは初めての「どなん」を満喫したようだ。

一般に「離島」というと、交通が不便、孤立した共同体的社会....というイメージを持たれる方も多いと思う。実際筆者もそうだった。

しかし、そのイメージは今回石垣島港離島ターミナルを見てかなり変わった。

ターミナルには30〜60分毎に高速船が発着し、石垣島と周辺の島々を結んでいる。この高速船がまた....陸上生活に慣らされきっている筆者などからすれば(そういう表現が許されるのであれば)正に「特攻船」なのだ。

漁船ほどの船体に総出力1800〜2700PSの機関を搭載した高速船が、時速70〜80km/hで波上を跳躍するように爆走する。
ほかの船の航跡上を横断すると船体が大きく揺れ、速度も落ちるので、同時刻発の各船が航路上の先陣争いをするかのようにフルスロットルで突っ走る。
この洋上バトルは見ていてなかなかに血沸き肉踊るが、慣れない乗客にはかなり恐怖だ。ガラの悪いことで有名な(?)京都のタクシーを拾ってしまった時の感じによく似ている。

そんな高速運転で、ものの20〜60分も乗っていれば着いてしまい、しかも料金が、路線のある一番遠い波照間島でも片道3000円ぐらいなのだから、言ってみれば関東近県の町から都心へ出てくるのとそんなに変わらない。違うのは、街に着くころには全身塩だらけになっていることぐらいだ。
そしてそのHubとなる石垣島には、地方都市の機能に必要なものは殆ど揃っている。筆者が住んでいる滋賀の街あたりよりはよほど活気があって賑やかに感じる。要するに島の人々にとっては「船でちょこっと石垣まで買い物に」という生活が日常化しているように思えるのだ。

そんな状況の中で、2007年3月に「石垣〜波照間」JTA航空路線の廃止が決定されたようだ。
所要時間は高速船の約1/3だが、運賃は2.5倍。手荷物の量にも制限があることを考えると、利用者が減少したのも無理はなかったのかも知れない。

しかし、筆者が友人との波照間行で15年前の1992年8月に搭乗したときは、定員19名のDHC-6がほぼ満席だった。
冷房のない蒸し風呂のような機内では、筆者たちの並び席に座ったスッチーさんが、まるで焼鳥屋のおやぢが火をおこすが如く猛速でうちわを扇いでいた。そのうちわがこれである。

筆者が波照間に行った三ヵ月後の1992年11月、石垣〜波照間路線が琉球エアコミューター(RAC)による運行となり、DHC-6のシートバックにこの団扇が装備されるのはこの時が最後となった...かもしれない。

今回搭乗したJTAの関空〜石垣便にあった機内誌を見ると、このうちわが懐かしグッズとして紹介されている。
JTAの前進である南西航空(SWAL)のロゴが入ったこのお品は、ある意味マニア垂涎のレアグッズなのかもしれない。のだが....当時3畳一間の非冷房な筆者下宿で酷使され、その後我が家の怪獣ドモの洗礼を受け、ご覧のとおり悲惨な状態になってしまった。(これでも透明絶縁テープと糊でかなり修復したのだ)

ところで、下面中央にある4文字のロゴは.....見逃していただきたい。

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