NiceBody(ナイスバディ)美人
製造元 言迷
諸元 16輪車両型マッサージ器具
Junk Point まりろちゃながー(c)David Bowie
備考 もし貴方が人の親なら、生まれた子供にどんな名前をつけようか、頭を悩ませたことがあるであろう。健やかに育つよう、多くの人に愛されるよう....と、子供にとって最初の親馬鹿ぶりを発揮する機会である。

が、当の子供たちはそのような親心を一顧だにせず、「なんでオレは辰年生まれなのに『龍』が入ってないんだ!」とか「どうせ樸は『健康は二の次』という名前だし」とか不平をもらすのだ。

いみじくもソシュールが記号論で「モノは人間に認知される名前を付けられることによって初めて『存在』する」と主張したように、モノや人にとって名前は非常に重要なもののはずなのだが、それが事実の一側面でしかないことは、世にはびこる「名も無き有名品」を以って証明することができるであろう。

今日の教室で使用されているかどうかわからないが、あの黒板に板書した字を消すアレを皆さんはなんと呼んでおられるだろう。
筆者が中学生だったころ、歴史の教師が授業中に皆に尋ねた。
そこかしこから答えが挙がる。

「黒板ふき」「違う!」
「黒板消し!」「違う!拭いても『黒板』は消えんだろうが!」
「・・・・」
「何じゃ!正解がわかるやつはおらんのか?!」
「・・・・」

沈黙する一同を見回し、影山教諭は得意げに自慢のブツ黒顎を突き出しながら答えた。

「シルケット。」


生徒一同から、正答を言えなかった悔しさと、新たな知識を得た感嘆の入り混じった嘆息が洩れた。「なるほど、そういう名前だったのか....」

...だが今日「シルケット」をぐぐってみると、その「商品」そのものではなく「素材」の名前であることがわかる。影山教諭もまた間違っていたことが、四半世紀の時を経て証明されたのである。....いや、そういうことが問題なのではない。つまりは

「名前なんぞどうでもいい」

というのもまた真実の一面ということがいいたかったのである。

にもかかわらず、やはり「生みの親バカ」というものは確実に存在する。このいかにもどこにでもありそうな「王様のアイデア」的健康グッズにこのような名前がついていようとは、ついぞ知らなかった。この商品を発売するにあたり、その開発者はさぞやその命名に知恵をしぼったことであろう...............(か?)

ちなみに写真には写っていないが、もうひとつの、これもありがちな「肩越しに背中のツボを押すグッズ」は『ドイツ生まれのつぼきーく』だそうだ。まんまやん。

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