アトム手袋ゴム張りZ
製造元
発売元
アトム株式会社
諸元 アクリル・ポリエステル・ナイロン・天然ゴム(滑り止め)
厚さ1.1mm
用途 運送業・倉庫業・鉄筋作業・土木建設業など
サイズ フリー(手の平幅12±0.5cm, 中指長8±0.5cm, 全長24±1cm
Junk Point \100値上げ&看板に偽りあり
(Monotaroでは1双¥339、少しお値打ち?)
「行きがけの駄賃」とは言い得て妙である。

もともと馬子が荷受けにいく途上、別の荷物を運搬して得る副収入のことを言ったそうだが、何かをしにいくついでに別の用事を済ませると、何か得した気がする。そんなことはよくあることだ。

レガーチのリバプール行きドライヴに付き合わされたレヴィが、ゲリラのベースキャンプにカトラスをお見舞いするのは、一般人的には何の得にもならない気がするのだが、ホイットマンフィーバーの彼女からすれば「駄賃」に相当する血飛沫のご褒美なのだろう。うん、そういうことにしておこう。

話がそれたような気もするが、要は気分が高揚しているときは同時系列状に展開する行動の連鎖が、快感や多幸感を相乗的に増すことがあるのではないかということなのだ。

だが、そのハッピーな時は永遠ではない。
行動の結果として得られる達成感と高揚感が引き潮のように去り、理性が戻った時には、○○を食らって妙なところに入ってしまったロックのような述懐を漏らすことになるのである。
あー俺っていつも結局こんなことの繰り返しなんだよなぁ....

某オグキノ氏とおなじように、いつも通りの休日出勤(笑)が予定より早く23時頃に一段落した筆者は、ふと思った。
「そうだ、カレー、食おう」

「そして少年中年は海峡を渡る。」
(By Pioneer "Runaway" with BGM "さらばミシシッピ")
すみっこ暮らし
そして君がそこに居た(笑)
動画はこちら

290kmを3時間で走破したその先に、辿り着いた昭和の香り漂う(実のところ、それは非水洗トイレの薫りだ)コインスナック....いや、「オートレストラン」。

現時点(2015/10/20)で日本で唯一、というより世界でただ一台だけ現存する「実働ボンカレーライス自動販売機」(別の川崎製鉄製マシンは鳥取で1台稼働中)の設置店である「コインスナック御所24」。そこに居並ぶ懐かし&フツー&言迷自動販売機の数々。

お目当てのカレー自動販売機や、「金さんラーメン」....いやそれはCharlotteだ、徳島製粉の誇る「金ちゃん焼きそば」、そして阿波踊り専用エナジードリンクの自販機などに興奮を抑えきれない筆者は、その数々のマシンをカメラに収めるべく、まだあけやらぬ無人の店舗内をうろうろしていた。

.....その居並ぶ自販機群の一番端っこ、お店の右隅の角に、ちょこんと「それ」が置かれているのが多少気にはなりながら。

アトム手袋 ゴム張り

自販機カレーのライスの旨さに感動し、キツネうどんの厚揚げに圧倒され、みやげと称してAwaRiseとかぼすサイダー、金ちゃんやきそばを購入し、「さて、仕事に戻るか」と車に向かった筆者。
......なぜかこの自販機の前に立っていた。

「おいバカ、なにをするつもりだ」内なる理性が制止する。
「これはよいネタ」A倍自民党並の圧倒的多数を占めるいつものやつが押し返す。
そして微塵子野党の抵抗は吹っ飛び、法案は可決した。

夜を徹して560kmを走り、職場に戻った筆者マシンのサイドシートには、さきほどの徳島食品群と、この広島産のドカ軍手があった。あぁ、やっちまった。
自販機に入れる向きがあるらしい
注意書きをよく読んでご使用下さい

撮影のために開封&装着してみた。
軍手にしてはかなりゴワゴワした感触だが、それゆえにカンバス生地のようにしっかりとしていて、多少鋭利なものでつついてもふつうの軍手より防護性に優れている感じだ。そして滑り止めのラバーはディンプルタイプではなく手のひら側全面に貼られているので、グリップ力はかなりある。
総じて、一般的な軍手よりはプロユースな、高機能なものであると思われる。

かくの如く、品質的にはわりと良いもののようであり、その上、ネット通販の価格よりも単価が安いときた。消費者としてはいいことずくめである。
....にもかかわらず、微妙な違和感がぬぐえずにいるのは....そう、筆者だけではあるまい。
『何に使うの?』という筆者への問いはこの際却下)
結構固めの分厚い生地
ダイビングクイズを思い出してしまった(古)

ネットで検索してみると、このアサヒ手袋の自動販売機自体は、珍しくはあるが希少というほどのものではないらしく、全国各地のDIY店....というよりも、昔からある個人営業の日用品店や園芸用品店での設置例が報告されている。

そう、お察しの通り、違和感の源泉は自販機の「存在」ではなく、「設置場所」なのだ。
24時間営業コインスナックで軍手を買う」......ははははは、さっぱりワカラナイ(福山風に)。

強いて言えば、徳島自動車道開通前は徳島県内を東西に結ぶ幹線道路だった徳島県道12号線、そこを走るトラックの運ちゃんが、夜食を食いに寄ったこの店で「昨日の荷受けで手袋が破れてたなぁ....をや、こんなところに俺の愛用のアトム手袋が(棒)」とか。うーん無理があるなぁ。

そんなわけで、この店の自販機のお得意さんは、「仁鶴師匠に逢いに来て、興奮で勢い余って行きがけの駄賃と買ってしまった」お調子者が多数を占めるのではないかと思う。経験者が言うのだから間違いない。....かも。

細かいことを言わせてもらうと、表示されていた「G」は高級版で、出てきた「Z」は普及版。「Z」の通常価格は¥500らしい。
こちらのサイトによれば、10年前は「Z」と「G」各々別の自販機があった模様)

こんど行ったときに¥100返してね>管理者おぢさん



(2015/10/23記)

Junk Junky