KIRIN 「Wo: Bloody Wolf」
製造元 キリン
諸元 トマト果汁20%
Junk Point 目が覚めない
備考 筆者などはずっと誤解していたのだが、アイスクリームなどと違って「炭酸飲料」というものは結構古くから存在するものらしい。もちろんペリエに代表されるミネラルウォーターやビール、スパークリングワインのみならず、これらアルコール飲料の発酵過程で発生する過剰の炭酸ガスを水に溶かし込んで作るソーダはイギリスで1772年に炭酸飽和法が開発されて以来250年経つし、クレオパトラだってワインに真珠を溶かしてスパークリングにしていたというし....『歯が溶ける』『骨が溶ける』とまことしやかな嘘が囁かれ、ここのところ消費が横ばいの炭酸飲料だが(実のところこれは砂糖とリン酸の仕業)、胃での消化促進などに健康飲料として用いられることもあり、また嗜好品としても根強い人気がある....のだが。
常に新しい商品を発表して消費者の購買意欲を刺激せねばとの認識、というか強迫観念によって日々世に送り出される飲料の中には、時々その方向が突き抜けてしまって、結局人知れず姿を消していくものも少なくない。このジャンルで言えば『炭酸コーヒー』『ソーダティー』などであろうか。そうした浮かばれない者たちの仲間入りを今まさに果たそうとしているのがこれである。
筆者は酒がまったくダメなので、『ブラディー・マリー』といわれてもどんな味がするのか想像がつかないのだが、「スパイス利かせたトマトジュース入り塩味の炭酸飲料」などというものはウォッカの辛味があって初めてバランスが取れるのであろう(だからといって幻の『Hi-Cトマト』のように砂糖を入れればいいというものでもないとは思うが)。「口に入れた途端に吐き出した人がいる」と証言した後楽賓館地下売店のアンチャンの「もう二度と仕入れない」という判断は正しいように思われる。同店のオバちゃんは「キリンはケチでおまけグッズをつけないから売れないねェ」と言っていたが、そういう問題ではないような気がするのは筆者だけだろうか。
なお、筆者が面白半分に自宅に持ち帰って家族に飲ませたところ、カミサンおよび5歳と3歳の子供に大変好評だった。週一出勤のこの近くの職場に来週行ったときに売れ残っているコレを買い占めてこようと思って(手持ちが\400しかなくて今週は買えなかった)「悪いけど取りおきしといてくれます?」とアンチャンに言ったら、
「大丈夫、絶対残ってるから。」
といわれてしまった。まあそうだろうが、ここを見た人、お願いですから一時の気の迷いで買いに行ったりしないでくださいね、いやマジで。

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