Heinz Spaghetti |
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製造元 | H. J. Heinz Co. Ltd.(注文および苦情はこちら) | ||||
諸元 |
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Junk Point | 英国庶民の誇り | ||||
備考 |
昨今、欧米での子供の躾に対する親の熱意が低下の一途をたどっているそうだ。 確か20年ほど前、「現代用語の基礎知識」のページ欄外特集に、西欧諸国の親の躾がいかに厳しいか、そして日本の親のそれがいかにダメかということをこれでもかと自虐的に書かれていたのを読んで愕然とした覚えがあるのだが、それも昔。英国在住の姉夫婦によると、現在の一般的な英国民では、未就学児でフォークとナイフを正しく使える子はほとんどいないそうである。 言うまでもなくこれは「I'm lovin' it」なグローバル企業をはじめとする「貪食産業」の弊害なのだ。親からして食器を使わない食事が日常化しているのだから、その子供においては何をかいわんや....である。(もちろんジェントリの階級は除く) しかしそうした「家畜的食生活の普及」以前にも何か問題はないだろうか....そう、味覚の問題である。 一昨年の渡英の際、田舎町で健康な生活を終えた筆者が、英国の思い出にとHeathrowでFish and Chipsを食い、出発ゲートで全身に蕁麻疹を発症して悶絶したのは今でも記憶に新しい。「人間がこれを食って大丈夫なのか?」と首をひねるようなものがかの国には結構多いのだ。この缶詰はそうした「正に」ジャンクフードの中のひとつであろう。 世界中のあらゆる国で「麺を汁にひたしたままにすると延びてマズくなる」というのは常識以前の大前提である(そうでない、と主張する人も中にはいるが)。 その麺を、しかも基本的にツナギを使わないためにもっとも延びやすい麺のひとつであるパスタを、あろうことか缶詰にしようなどという暴挙に出るのは、世界でおそらくこの国だけであろう。 親切にも、開けて即食えるようなこの缶詰の調理法が書かれている。 この通りに調理すると、麺など跡形も無く消え去っておじやになるのでは....と心配するのは筆者だけだろうか。 筆者はここでこの缶詰の存在を知り、クリスマス休暇で帰省する姉夫婦に土産として持ち帰るよう依頼した。 味・食感などは件のサイトに詳しく書かれているが、驚くべきことというか、やはりというべきか、かの国では結構日常的に食されているものらしく、TESCOなどのスーパーでも一缶60円前後でしょっちゅうセールに出ているらしい。 余談だが、日本と違って英国では自然界にヨウ素が非常に少ないため、なんらかの形で補給しないと甲状腺機能に異常をきたすそうだ。そういう意味でも、妙に強化された栄養素群が、庶民の健康を支えているというこの缶詰の自負を物語っているようだ(か?) 筆者はご覧の通りまだ試食していないので詳細はここには書けないが、「どうだった?」と先に試食した姉夫婦にたずねたら「・・・・」と一瞬顔を見合わせて黙りこんだ。 その沈黙が何よりも雄弁に語っている。 |