越前市「水芭蕉&つる八」・ニューコピー丼
製造/販売 水芭蕉&つる八(福井県越前市塚原町24−9−3)
諸元 名称:ニューコピー丼 原材料(推定):えび・豚肉(鶏ささみ肉?)・大葉・メシ・クリーム・砂糖・醤油
Junk Point 甘丼

筆者が知る限りにおいてのことで、ご当地の方にとっては「へ?」と思われることかもしれないだが、九州の味付けは「甘い」と認識している。

ムツゴロウ先生が、天然記念物の動物をたずねる紀行文の中で、生地・長崎県をお兄さんと訪ね、ご当地のちゃんぽんを久しぶりに食べた際「甘い!」と感じた、という一節がある。
また(これは創作だが)津場木葵が「夕顔」で供したのは、祖父・史郎から伝授された、あやかし好みの甘い味付けの料理で、これは九州の料理をベースにしていると聞いた....ような気がする。
また、とある回る寿司屋は4種の醤油を提供していることをウリの一つにしているが、その中の一種類である刺身醤油も、九州のものは砂糖が多く使われた経緯から粘度が高く甘いのが特徴である。

ことほど左様に、地域としての特徴的な味付けであれば、それは地域においてはあくまで「一般的」な味わいとなるのであろう。

これでもかとブチかます看板群
R8が折れ曲がる交差点近くなので入りにくい

しかし、飛び地的に特殊な味が存在する場合、それは受容されれば「珍味」となり....そうでなければ、管理者の義母が宣うが如く「変わった味ねぇ〜」となるのであろう。

かの南の地から東上すること、およそ700km。
福井の南部に、「その味」は存在する。

遠い昔、金沢の大学に通っていた筆者が、帰省の折によく使った国道8号。
現在もしばしば遠出の際に往来する、その地方幹線道路がドッグレッグする交差点の近くに、以前から気になる存在として頭の隅にはひっかかっていた。

画像の如く、やたらと押しの強い看板群と、なぜか2店舗が合体したような店名。

ようやく意を決して、今年の2019年3月に家族で突入した。

筆者がおチキンにもラーメンなどオーダーしているヨコで、長男が選んだのが当メニュー「ニューコピー丼」だった。

待つことしばし。
運ばれてきたブツを観察してみる。

えび・肉巻き・大葉ハサミとかなり手の込んだ造作
これで甘くなければ、普通に旨いと思うのだがww

見た目はエビフライのような揚げ物が、なかなかのボリウムで盛られている。
よく観察してみると、どうやらエビを大葉で挟み、ブタ肉で巻いたものを揚げてあるらしい。なかなかに手の込んだ造作だ。
メニューによれば「醤油味ベース」とある。
早速食し始めた長男。「う゛っ....甘い。

筆者も試食してみる....こ、これは....

「甘みのある醤油味」ではない。クリーム状の白いソース...一見、タルタルソースかホワイトソースに見えるのだが、これ自体が「ガチでケーキのクリーム」みたいに甘いのだ。醤油味という「それ以外の味」がしない。一瞬、管理者たちが急性味覚不全に陥ったのかと思ったほどだ。

脂っこい揚げ物に、甘いソース。
....これはなかなかにキツイ。
上述の如く、フライがよくできているだけに、最後の最後で「上質な料理に蜂蜜をブチまけるが如き所行」(勇治カ談)をかましてしまった感があった。

そして数ヶ月後。
筆者はまたやってきた....今度は単独で。

とはいえ、イベントスタッフ弁当を平らげた1時間後である。
「かの武闘派経理マンの方もこんな感じで『甘口メロンスパ』をオーダーされたのだろうか」と、戦々恐々としながら到着をまった。

そして、いただきますた。

...長兄が食した時よりは醤油味がしっかりついていて、なんとか食べられそうだった。だがしかし、相変わらず味蕾を直撃してくる、甘いクリーミーなソースはやはり謎である。

「これがタルタルソースだったら、絶妙だろうになぁ...。あ、いやしかしそれでは『ニューコピー』ではなく、単なるエビフライ丼になってしまうか」
...などと思索しつつ、だんだんと水月のあたりが重くなってくるのを感じながら....なんとか完食した。

店を出て、初夏の爽やかな風にようやく息を吹き返した筆者は、果たしてこれが「珍味」なのか、それとも「変わった味」なのか....結論を出せずにいた。「唯一無二の味」であることは、おそらく間違いないのだが。

そうして....もう一つの疑問が残った。

「ニューコピー」って、何だ?



常連ぽなおねいさんが居た2回目訪店
(初回はここめがけて来たヲぽい4人組がいた)
(2019/5/19喫飯、2019/10/25記)

Junk Junky