熱中症せんべい
製造元 (株)かみありづき (株)中筋組の共同開発
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諸元 うるち米・食塩
Junk Point ジャイアンのリサイタル後に宜し
備考 2009年・今年の夏も暑い日が続いている(*注)。地球の温暖化を実感するような毎日だ。

「んな分かるような温暖化だったら今頃大変なことになっとるわ」というようなことを、20年前に篠原遊馬が述べているが、実際に人間が実感できるほどに地球の平均気温は上がってきているのではないかと思う。

先頃斉藤環境相が発表した「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」をみると、今後40年の間で16世紀以降の地球平均気温上昇を+2℃に抑えるためには車を100%電気エネルギーに、原発を1.4倍に、太陽光発電を120〜140倍にするといった目標が書かれている。

今の状況からすると、ほとんど空想の産物としか思えないが「『出来る』と思う事が可能性を開く」のは世の常だ。
結局のところ、人類は本当にこの途方もない構想を何とか実現してしまうかも知れない。

温暖化抑止策がもてはやされ、エコが叫ばれる一方で、「実際に暑くなったモノは仕方がない」と、温暖化した環境への適応を促すような、やや後ろ向きともとれる動きやその産物も存在する。

この「熱中症せんべい」はそうした中の一つである....といえるだろうか。

過日、筆者は「パートナーを得たお礼参り」と称して、実際は物見遊山で出雲大社を訪れた。
そこでたまたま、60年に一度という大社本殿の屋根改修工事と、それに伴って行われる本殿特別見学に参加する事ができた(実際にはマイミクさんに聞いていて今回のイベントを知ってはいたのだが)

何気に参拝者が三々五々本殿に行き、思い思いに眺めて終わり....というようなありきたりな見学だと思っていた筆者。しかし実際は想像とかなり違っていた。
同時見学人数に定員を設け、事前に職員から、「今回の本殿見学が如何に貴重で希有な体験であるか」懇切丁寧な説明を受け....と、中々に物々しいイベントであった。実際本殿内部は創建以来、天皇陛下をも入れていないのだから、大層な事には違いない。
....といったことを熱く語る、中々に暑苦しい職員の「中筋」さん。

そのジャイアン並に熱いリサイタラーと発売元の関係は不明だが、参拝会場で熱中症対策として水と共に配布されていたのが、この「熱中症せんべい」である。

またこれも余り関係がない話だが、共同開発元である中筋組のWebサイトトップ写真は、ちょっと前までこの会社が建築を請け負ったと思われるパチンコ屋の建物になっていた。

せっかく役に立つ商品を開発したのだから、パチンコ屋の駐車場でも配る事にしてはどうだろうか。ギャンブルぢゃんきーの親に車内放置されてドライアップする幼児がかなり減るかも知れない。
もっとも、「これさえあれば大丈夫」と放置する馬鹿者が増える危険性も否定できないが。

で、肝心の(?)味の方なのだが、「サラダせんべいから油気とダシ味を取ったモノ」といえばおわかりいただけるだろうか。
チビン子をお持ちのおとおさん/おかあさんであれば「塩辛い赤ちゃんせんべい」といった方が通りが良いかも知れない。スペック的にも「原材料:米・塩」。実に潔い。

当然ながら、熱中症対策としては水と一緒に食べなくては余り意味がない。ていうか、カラッカラの口腔内に投入するのはかなりキツい。

開発元のサイトには「口溶けも早く、のどに詰まる心配がありません」と書いてあるが、実際にしばらく歩いた後でのどが渇いた筆者が試したところ、ちょっとヤバかった。やはり多少なりとも水分は必要に思われる。
逆に、お茶受けとしては結構いける味と食感だ。

水を一緒に取るならば、別にポカリでも良い。アレだって基本は『タダの塩水(開発担当の元大塚の重役談)』なのだ。
しかも最近は『糖分1/2、お塩2倍』という、熱中症などの補水療法に特化した「塩ポカリ(のようなもの)」も開発されている。

しかし物事には「その場の雰囲気」というのも大切だ。

久々に訪れたおぢゃんく屋の店内が、炭団機でなく不治痛の銀パソで埋め尽くされていたらどうであろうか。
ここが勝負と、ベッドに押し倒した彼女が矯正下着を装備していたらどうだろうか。
....もっとも、後者のような『イゼルローン型難攻不落の要塞防御』の場合、Vゾーンに隠されたボタンを外して侵入成功という「意外な方向から死角を突く」戦法が往々にして有効だが、それだけではない。
冷え性な女子の場合、薄手のあったか下着を何枚も重ね着するという、バーミリオン会戦においてラインハルトがとった『大昔のペチコート防御陣』を敷く可能性も存在する。
この戦法をとられた場合、無理に正面突破を図ろうとすると、マリノ提督のようにフラストレーションがたまる一方だ。防御陣突破に要する時間に反比例して『戦意』が低下する傾向が顕著で、数段やっかいである。
むしろヤン元帥が実施したような、攻撃目標の意識を一方に引きつけて、防御陣を削り取るという作戦が有効に思われる。
例えば「キミのそのサラサラの髪、洗ってみたいな(はぁと)」などとぬかしてバスタイムに誘い、攻撃目標自ら重層防御網を解除させるといった作戦はいかがだろうか。

....話がそれた。

要は希有な体験をする機会を前にして、気分が盛り上がるか否かということなのだ。

60年に一度の参拝というときに、「ポカリを飲んで厳粛な心持ちに」とは余りならない気がする。
ましてやそれが「ちょっと甘い汗の味」だったらどうであろうか...こう書くと「女子の素肌に舌を這わせた時のあの感触と味」みたいでなかなかイイが、先の塩ポカリは要するに「夏のさなか、溶けたガリガリ君が汗ばむ手に垂れて、思わず舐めた時のあの味」なのだ。

....もっとも、「塩せんべいを紙コップの水で流し込む」ことで気分が昂揚するかどうかも、ひとえに参拝者各個にかかっているであろう。




熱弁をふるう「中筋」さん

*....これを書いたのが2009年8月初頭、ご存じの通りその後はなんともはっきりとしない、夏らしくない天気が続いてしまった。
「これも地球温暖化の影響」と言えなくもないが、個人的にはこの商品が企画倒れとして消滅しないかと若干心配している....ということにしておこう。

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