カプサイシンプラス |
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メーカー | 三和化学研究所 |
諸元 | カプサイシン/マンゴー味 |
Junk Point | 山にも登れそう |
備考 |
今日、65歳以上の方の死因の第4位が「肺炎」であるというデータがある。 その中の大半が、ものを飲み込む動作が上手くできずに、気管に食物などを誤って飲み込んでしまう「誤嚥性肺炎」だといわれている。 我々が日頃実感することは少ないが、飲み込み動作は非常に複雑で精緻かつ瞬間的な反射によるものである。 咽頭の筋肉を順次収縮・弛緩させながら食物を送り、気道との分岐点に達した瞬間に平均0.6秒間呼吸を止め...という操作は、とても意識して行える様なものではない。 その嚥下反射に関与している神経伝達物質のひとつに、サブスタンスPがあるという。 この物質は、大脳基底角から分泌され、逆行性に気管や食道へと運ばれ、嚥下反射の反応性を高めるそうだ。 サブスタンスPは主に、舌の温度受容器への刺激で分泌が促進される。 つまり、熱いものや冷たいものを舌に乗せることで、嚥下反射を活性化できるということになるのだ。 実際に療養/介護の現場では、飲み込みが上手くできない方の舌を氷で冷やす「アイスマッサージ」が行われている。 だが温熱刺激は、いつでも出来るというものではない。 言うまでもなく氷は放っておくと溶けてしまうし、熱いラーメンは冷めて伸びると不味くなる。 ただここでポイントになるのは、刺激として必要なのは「温度差」ではなく、「熱い感じ/冷たい感じ」なのだ。 そう、つまり辛いものや清涼感のあるものを味わうだけでも、この物質の分泌は促される。そこで登場したのが、この温感刺激をもたらすサプリメント「カプサイシンプラス」なのである。 ・・・・・ま、まっと〜&宣伝ぽなお話はこの辺で。 筆者がこれを持ち込んだ業者さんにまず確認したのは「辛くないスか?」ということだった。 南相馬市で県民のために奮闘されている辛味役&臭味役いいんちょさんには及ぶべくもないが、筆者はそこそこ辛いものが好きだ。 だが全ての人間がそうであるわけもなく、たとえば筆者のパートナーは市販の中辛カレー以上は口に入れることが困難な「辛味猫舌」である。 (....適切な表現のようなそうでないような、先のいいんちょさんも辛味猫で、その舌は辛味猫舌で、えと....) ...ま、その表現の是非はさておくとしても、いくら飲み込みがよくなるといっても、それ以前に口に入れられないのでは話にならない。 業者さんは「辛くないです(キリッ)」と言い切った後で「溶けた後で舌に刺激がジワーっと出てきます」という微妙な表現をしていた。 実際どうなのか、試してみないことには始まらない。 ・・・・・辛いやんけ。(汗 いや、もちろん筆者の舌にはどうということがないのだが、パートナーが「これ、無理」という辛さの基準を大幅に超えている。 そしてもう一つのツッコミどころは、「マンゴー味」である。 南アジアの料理などには「スパイス+マンゴー」の組み合わせはよく見られる。 強い辛味のカレーにマンゴーの甘みを加えると、唐辛子に含まれるバニリン(バニラの風味成分)が引き立って甘くまろやかな風味になる。 そう、ここで重要なのはあくまで「風味」として旨味を下支えすることであって、「味」として前面に押し出ることではないのだ。 前者であれば「エスニックな味わい」となるが、後者になると「辛いマンゴー」という、単なる「奇食」となってしまう。 (もちろんこれから料理に使う調味料にはそういうブレンドのものもあるが) 筆者が思うに、この製品の開発者は名古屋の出身か、さもなくば名城大学薬学部あたりで学んだ方なのではないだろうか。 十分に考えられる可能性だ。この会社自体が名古屋に本社があるわけだし、 こんなものを提供している場所から直線で数キロしか離れていないわけだから。 |