Solar Charger
Solar Charger
製造元 言迷(Made in China)
諸元 Input:Solar5V/0.4A orUSB mini5V/0.5A->output:USBDC5.5V/0.8A
AC adaptor/4 additional output plugs
Junk Point シャープでない
備考 21世紀に入る当初まで、日本は「ソーラー先進国」だった。しかし今日後発国の猛追を受け、年間の太陽光発電システム導入量では完全に逆転を許しているのが現状だそうである。

省資源国の我が国では、自然エネルギーを利用しよう、あるいはしなければと考えるのは必然であろう。
そしてこれまでの日本は既存品の機能向上技術に関しては、世界でも突出している。
だから、ソーラーセルというデバイスの開発で世界をリードするのは、ある意味当然の帰結だといえた。

しかし、それが国全体としてのエネルギー供給の一翼を担うビジョンにつながらない。

クリーンエネルギーの明るい未来が様々に語られているものの、現時点で商業ベースに乗せるのはまだまだ難しい。今は普及に向けて、行政の助成が必要な時期なのだと思う。そこの社会的ソフトウェア構築が、日本はまったく立ち後れているという印象がある。

今日本を追い越し、ソーラー普及世界一に躍り出ようとしている国がドイツであるのも、非常に暗示めいた現実ではないかと思う。

進まない助成策、ハードウェア開発の停滞。
岐阜県羽島市にある太陽光発電モニュメント「ソーラーアーク」には、出力が規格以下である事を伏せて出荷し、結果回収交換となったパネルが、自戒の意味も込めて使われているそうだ。
日本の自然エネルギー産業のネガティブな意味での象徴から、これから挽回を目指す指標となって欲しいと思う。

....てな堅い話はともかくとして。

去る先週の日曜日、筆者は梅雨とは思えぬカンカン照りの太陽と、集結したヲ達が噴き上げるムサい熱気で窒息しそうなポンバシを徘徊していた。

ナイショの来訪の目的をとっとと済ませて、秋葉のぢゃんく屋とはまたひと味違った、ポンバシのバッタもん屋を満喫していた筆者。そのうちの一軒で、ふと足を止めたのがこのデバイスだ。

まあ探せば秋葉でもあると思われるが、その名も「"Solar Charger"-太陽光パネル付リチウムイオンポリマー電池-」。
「太陽電池で発電した電気をリチポリに充電、USB5V(ぢつは5.5V)出力でケータイ/SmartPhone/iPaq他MP3プレイヤーetc.に充電」
字面だけ追えば、中々に使えそうなデバイスだ。

しかしこうした売り文句は、全て店内手書きPOPに記載されている。
パッケージ上は製品イメージ写真と"Solar Charger"の商品名があるだけ、典型的危険パターンだ。

アラートが脳内に響き渡り、そしてその結果何かよくわからないがスイッチが入った。
怪獣共への土産もパスし、自宅へと連れ帰った。
.....オグキノ両氏のように連れ帰り忘れて、ポンバシ〜自宅2往復など筆者はやったりしない。

帰路の2時間余り、ダッシュボードの上で太陽光をいっぱいに浴びて、充電中を示す緑色のLEDが消えた。
早速バッテリーが1本になったヨメはんのSH705iに接続する。「おぉ...充電しとる」。。。

.....15秒後....「ムリョッ。」

.....シャープ機独特の充電終了を告げる音が鳴り、電池は2本で止まった。

さては大電流が一気に流れたか。
改めて蛍光灯の直下で充電してみる。
1時間後、抱き合わせ商法としか思えないLEDライトを繋いでみる。...光芒は一瞬だった。

ここでようやくASEAN圏言語が充実している取説(日本語は無し)に目を通す。
「USB給電の場合の充電時間:約2〜4時間」
「太陽電池からの充電時間:約12〜16時間(直射日光)」

どうやら2時間程度の充電時間では不十分、しかも帰りの曇天の中では供給電力も全く足りなかったようだ。

....確かに本体裏面のスペック(上記表)を見ると、USBの給電能力はソーラーセルの約6倍なので、この充電時間は納得できる。
しかし現実問題として「16時間直射日光が当たる場所」を探す方が困難では無かろうか。
砂漠のど真ん中で携帯を充電したり、音楽を聴いたりする人はそう多くない気がする。

そうした上でこのいいバッタ味出してるキカイの使い道を考えてみるに「車載充電池」というイメージが浮かんでくる。

しかし、ここでちょっとした問題がある。



↑の写真を見てもよく分からないかもだが、背面が微妙〜に膨らんでいる。
これを真夏には70℃以上になるという車内に残しておくのはいかがなモノか。あるいは子供を残してパチンコに出かけ、ドライアップさせてしまうのと同じくらいに危険な事かも知れない。
用事を済ませて戻ってきた貴方が目にするのは、人類の未来を担うクリーンエネルギーデバイスとともに爆発四散した愛車...ということになりかねない。

というわけで、いまのところ蛍光灯直下で充電してその起電力を試験する、あるいはUSBで充電して、LEDライトの電源とする(これなら満充電できて2時間ぐらい連続点灯可能)..といった以外に使用方法を見いだせていない。

何やら本来の目的を忘れているような気がするのだが、それは筆者のいつものパターンであることだけは断言できる。

そして後日、筆者は近所のケーズデンキで、ケータイグッズ棚の一角に「曇天充電OK」の文字が躍る日本製のソーラーチャージャー商品群(しかも安い)を目の当たりにし愕然とする事になる....

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