Smart MP4
製造元/輸入元 言迷(大陸製)/デイトリッパー
諸元 カメラ付き/動画:10万画素/静止画:200万画素/スライドショー/動画再生:320x240 XVid/MP3・WMA再生/ボイスレコード/FMラジオ/電子ブック(?)/Webカメラ
Junk Point iP**ne*4
筆者が提唱する法則の一つに「経営者が自著を自分の店で売り始めたら、その会社は傾く」というものがある。

具体的な例としては大手日本茶メーカーに吸収された某コーヒーチェーン店や、筆者が以前勤務していた某化粧品メーカー系薬局FCチェーンなどがあり、割と当たる確率が高いと自負している。

そういう意味では、筆者がよく利用する地元のラーメンチェーン店の行く末が非常に心配であるのだ。尤もここは『1000円の本を買うと1000円のお食事券付き』という、いかにも『転んでも(?)タダでは起きない』関西風味なところがあって、女少に安心しているのだが。

筆者は会社経営にはとんと疎いのだが、その大変さや一定の成果を挙げたときの充実感は何者にも代え難いと思う。故にその成功体験を何らかの形にして、多くの人に自慢したい伝えたいというのも自然な成り行きだと思うのだ。

だが、いうまでもなく経営の成功に法則というものは存在しない。おそらく「これでよい」と思った時点で、衰退が始まっているものなのだろう。
いったん走り出したら止まれない。「自転車操業」は金銭の運用面だけでなく、全ての企業が持つ宿命的なシステムなのかも知れない。

微妙な文様のあるタッチパネル
スピーカはパネルの上に(モノラルです)
で、まったく別の話になるが、筆者がよく行くぢゃんく屋のヲやぢさんによると、現在の中華中国では、若者の起業志向が非常に高いのだそうである。

日経BPの記事によれば「現在の中華中国ほど会社設立の手続きが煩雑な国はない」ということだが、おそらく国民、それも政府や地方行政官僚と一定のコネクションのある人々にとっては、その限りでは無いのかも知れない。

ヲやぢさんの話では、こちらから製品の図面を渡してオーダーを出すと「自分の勤めている工場の在庫部品を使って」「就労時刻を過ぎた真夜中に、勝手に工場の機械を回し」きわめて短期間かつ激しく安価(当たり前か^^;)に「『自社』製ノーブランド品」を納品してくれるのだそうだ。

そうした「無法地帯」ともいえるカオスと、凄まじいばかりの上昇+拝金志向の人々を有する産業界が「世界の工場」を支えているのである。

考えるに、そうした未来の実(?)業家たちの中にはもちろん長期的ビジョンに基づいて事業を興す人々も居るのだろうが、おそらく大半の輩は「一発屋」「ヤリ逃げ」なのではないだろうか。

「ワンロット作って海の向こうに叩き売ってしまえば、十分に元も取れて、どんなパチキでもアシがつくことはないだろう」....おそらくそうした経営理念(?)に基づいて作られたであろう製品の一つなのではないだろうか、こりは。

「Smart MP4」という、微妙に一般的な商品名のこいつは、一昨年(2010/10)のアキバ出現当初はこう称していた。

「iP.ne 4 Media Player」

...「あいぴーどっとえぬいーふぉーメディアプレイヤー」と読むのだろう。多分公式上は。消費者のとらえ方はともかくとして。
(ちなみに命名は発売元のショップ)

キー配列
詳しくない人に『あいほんだよ〜』と言ったら信じるだろうか?
実際触ってみるとかなりチープ
それにしても、チラ見した所では画面や筐体のデザインなど、まんま林檎電話か、あるいは林檎壷を○チっている。
その上で、ご覧の通りサイズは90%強ぐらいに縮小している。

某格闘漫画に「深海ではカップラーメンが水圧で小さくなる」という与太話があるが、ちょうどそんな感じの絶妙なシュリンクぶりだ。
「パチもんだ!」という非難や嘲笑を「そんなことありませんよ、ほら並べてみればこの通り大きさが」と言い逃れする為か?...と想像されるほどに。

もちろん通信機能など実装しているわけもないので、「北アフリカの乾燥地帯」アイコンをつつくと内部ストレージのファイルを表示するExplorerが起動するし、「Capture」はスクリーンショットではなくカメラのボタンである。

カメラは静止画/動画いずれも撮影できる。が、静止画はサイズこそ1280x960だが、CCD画素数が少なく、ソフト補正がかなり入っている感じの粗い画像だし、動画に至っては撮影/再生可能な最高解像度/フレームレートが320x240QVGA/15fpsという「いつ時代?」と突っ込みたくなる様なロースペックである。

もっともスペックから推測するに、このメディアプレイヤーは、そこいらのCD/DVDレンタルショップのレジ横で吊るし売りされている「iP◎dなの」モドキなどと共通のハードウェアを使用しているようだ。

筆者の長子もこの手のガジェッツに妙に入れ込む体質なのだが、彼が購入した6野口弱のマシンとアプリ(?)の構成がほぼ同じだった。
一応パチっている対象に合わせて、画面構成やアイコンは変えてある。この辺、意味のない方向に芸が細かい。

プラットフォームはAndroidなのか、I/Fは多言語対応である。
その数、実に21言語。そこまで多国に輸出しているのであろうか。


コレを持っているルーマニア人てwww
右端の"Mine"は言語を日本語に設定すると消える
アプリやアクセサリの構成が、言語によって若干違う(日本語環境に無いアプリ『Notepad』とゲーム『Mine』が、少なくとも英語と中国語には存在する)のはご愛敬である。

Homeボタンを押すとHomeMenuに戻るのはパチり元と同じなのだが、2度押ししてもタスクスイッチ画面が現れるわけではない。つまりこれはマルチタスク非対応であり、「音楽を聴きながら画像を見る」といった使い方はできない。多分(やろうとも思わないから分らない)。

世界を騒然とさせた、Apple iPhoneと「iPhone発売後、フォルムやI/Fが一変した銀河電話」の某企業との訴訟合戦は、Apple社の勝訴でいったん決着をみたが、お互いの特許侵害の有無を問う法廷闘争と、オリジナリティの保護を主張して一歩も引かず戦い続けるAppleの強硬な姿勢は凄まじいの一言に尽きる。

一方で....この「あいぴーどっとえぬいーふぉー」周辺は、発売して2年のこの方、至って静かなままだ。

筆者はこの製品を見て、筆者は「北斗の拳」の一件(※注)を思い出した。

Apple社がこのパ製品の存在を認識しているかどうかは不明だが、もし知っていたとしても笑って済ませられる範囲のイチモツだったのであろうと想像される。



おまけ
動画撮影中
衝撃的な画質です



※注:
80年代後半に絶大な人気を誇った超人拳法劇画「北斗の拳」を、韓国の映画制作会社が、原作者およびアニメーション製作元に無断で実写映画化した件。

日本のアニメ製作会社(東映)は訴訟も視野に入れていたが、結局実施されなかった。

その際の声明は「作品を鑑賞し検討したが、これは何かのギャグであるとの結論に至りました」というものであったという。
(出典:たぶん『トリビアの泉』)

(2012/09/12記)

Junk Junky