RK−605型AMラジオキット

製造元 言迷
諸元 AM525〜1620KHz/中間周波増幅型/モノラル
Junk Point だっしゅわん〜
備考 筆者がたまに通勤途上で通る道すがらに「雑誌『Bu○st』で話題!/刺青・TATOO 彫り師▽▼△◎」という看板が上がっている。筆者が田舎にUターンしてからも、関東に在住していた頃と同じか、それ以上にしばしば、上腕部や大腿内側に「外因性色素沈着」を行っておられるおニイさんやおねいさんを見るのであるが、そういうことだったのかと納得している今日この頃である。

石原都政の窓口テレビと化しているMXで、アンチTATOO番組を流していたようだ。これに対して某刺青愛好者が「『精神病理としての自傷投影』といったステレオタイプで恥かしい方向付けだ!」と批判している。
筆者はTATOOがそこまでのものだとは思わない。自己を他者と区別するための「自己存在確認」の表現アイテムの一つに過ぎないと思う。
「『自分が他の何者でもない、自分自身である』という証が欲しい」....そういう欲求は人間誰しも持っているはずである。それを外面的表現に求めるのも、これまた自然な行動であろう。
そういう意味では他のやや特殊とされる行動、例えばピアッシング・異性装・コスプレ・ボディペインティングなどや、あるいは普通な行動とされているファッションや化粧と何ら変わるものでは無いと考えるのである。
ただ違うのは「可逆的か不可逆的か」....つまりはその世界に違和感を覚えたときに、すぐに後戻りできるか否かの問題だけなのだ。

....で、このラジオなのだが。
筆者は小学校時代、電子工作に熱中した時期があった。工作好きなのは多分に筆者の父の影響があったと思われるのだが、「模型とラジオ」なんかに載っている回路のパーツリストを元に、都内の部品屋からわざわざパーツを取り寄せて、夜な夜な流し台で基板のエッチングに勤しむ中々に気味の悪い環境破壊小僧であった。
当時からエースのラジオキットを1/2/4/6/8石全てコンプするなどマニア振りを発揮していた筆者にとって、小学校5年生の技術の時間1ヶ月間ほどを費やして作るこのラジオキットなど、ものの30分もあれば組みあがってしまうような手ごたえの無い実習教材であった。
同じくあっという間に組み立ててしまったT・Y君と、「さて、どう時間を潰すか」と考え「他の連中と似ても似つかないようなマシンにしよう」....そうしてこのキットの漆黒のボディーに、パクトラタミヤ(現在のタミヤカラー)を塗りたくったのがこの体たらくというわけである。
ちなみに"DASH1"は当時筆者が愛用していたラジコンのプロポ、"AYK"は青柳メタル(これもラジコンのレース用モーターのメーカー)である。そして写真には映っていないが、天板と底板には「T.MURAYAMA」という謎の名前が入っている(筆者ではない)。多分当時のグラビアアイドルだったような気がするが、今となっては全く思い出せない。青春の甘く切なく恥かしい「不可逆的な」思い出が満艦飾な一品である。

今撮影のために裏ブタを開けて基板を見たところ、上部の検波〜中間周波増幅回路部と、下の低周波アンプ部が分離する仕掛けになっていて「実験のために分離した場合は、ジャンパ線でつないでください」と書いてある。当時は気づかなかったが、なかなかにマニアックな構成になっていたのだ。

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