短期集中連載(笑)
−この物語は、フィクションである(?)−
その269
木下隆雄「いまさらのようでなんですが、経済活動というのはスタティックな日常経済と、ダイナミックな非日常経済に分かれているなといつも思うのです」
小椋良二「....は、はい」
木下「そもそものメインストリームは、愚昧な駄民共の皆様が日々営まれているみみっちい生命活動の集積が作るわけですが、そんな中に時々『ハレ』と『ケ』の大波が押し寄せて巨大な潮流の変化を招くというわけです」
小椋「そのなにやら某前分断欧州国極右政党のような言い草には若干問題がありそうですが....それは確かに現実の一側面ですね」
木下「そのとおり。故にこそ『理想の治世はパンとサーカス』と言われるわけです。しかしながら我々為政者にとって、非日常は常に日常化する宿命を孕んでいるわけでして、『ハレ』も『ケ』も、定期的に繰り返されると愚民からのもっとも厳しいしっぺ返しを食らうことになるのです」
小椋「....は?」
木下「つまりです、『愚民の願望は成就させてはいけない、成就する一歩手前で留めるのが理想である』ということなのですね。成就させてしまったり、日常化してしまった暁には『飽〜きた』となるのは自明の理です。祭りはたまにやるから祭りなのであって、いつもやってしまったらデパートの催事でしかありません」
小椋「なるほど、『マグロ食うなら解体ショーの後』ということですね」
木下「え、えと....」
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